IKEBANA Internationalにて、Domestic Chapter’s Table(例会)に出席してきました。
今回はいけばなデモンストレーション 一葉式のいけ花 お家元 粗谷明弘先生。
私はいけばな、小原流のおけいこをしています。
今回の流派を私は初めて拝見するので、とても楽しみにしていました。
その前に、私も会員でもあるIKEBANA International を紹介します。
1956年、いけばなの精神と芸術性に深い感銘を受けた米国人女性により、
「花を通じて友好を」をモットーに東京に設立された国際的な文化団体です。
国籍も所属流派も多様な会員が、いけばなとそれに関連した日本の文化・芸術の紹介を通して相互理解と友好を深める活動をしています。
今日では全世界60カ国165支部が設立されています。
名誉総裁に高円宮妃殿下、各流派のお家元、世界各国の大使婦人、・・・そしてもちろん私の様な花を愛する一般の会員が世界中に在籍して実際に活動をしております。
昨年2006年10月に、5年に一度、世界大会が東京で開かれました。
世界中からいけばなを愛する人々が、花を活けるために世界中から来日して(もちろん一般人含む)、沢山の花の作品が並びました。それはそれは熱心です。
私は、東京支部の会員として、各ブースにそれぞれの作品をいけこむ時間、受付とお手伝いをボランティアで参加しました。
まさに国籍と流派を越えて、花を各々が活けこむ、美を生み出している姿は本当に色々な事を私に感じさせ、勉強させて頂く時間となりました。
出来上がっていく作品を拝見していると、通常各流派により、少しずつ花材の使い方、活け方は異なるのですが、それに加え、同じ素材でもなぜか表現の方法の違いかお国柄を感じさせられたり、新たな視点を与えている事への驚きと刺激を受けました。同じ花材でも決して一方方向からでない「こだわり」のない使い方をされた作品を真の当たりにして、衝撃と静かな感動を覚えたりもしました。
そして実際に活けられている姿を見ていると、それが奇をてらっているのではないことが、手に取る様にわかります。つまり、その方の自然な表現なのだと伝わってきます。
花を活けることだけではないのですが、ものごとを観る視点は、こだわらず柔らかく…、多角的に観る柔軟性の大切さをとても思いました。
もちろん、正統な伝統を受け継がれている事を感じられる花もきれいです。
そして全体の印象ですが、非常に植物・花材の本来の良さを生かされているようでした。私があまり得意としない人工的なモノとの少し強制的なあいまいな表現を受けることが、少なかったことも私には嬉しかったのかもしれません。とても個人的ですが。
参加者は日本人・外国人の差異はなく、知識の量は本当に素晴らしく豊かで、お手伝いのはずが私もすっかりお話に引き込まれてしまって教わることもしばしばでした。
お家元クラスが活けられる作品も、もちろんそれは素晴らしいです。
しかし、その他の方達の想像以上のエネルギーに圧倒されたのを覚えています。真摯な姿勢と気持ちそして情熱を感じ、頭の下がる思いと私の中で忘れかけていた大切なものと思い出させて頂きました。
実際私は海外でアレンジメントを学びに行った際も、各地に会員の方の活躍されているお話をミミにしました。そして、花の勉強していると、ヨーロッパなどでは特に現在は「日本ブーム」ということもありますが、「いけばな」について興味を示されました。
アレンジメントとの一番の違いは? 、精神性について、花の扱い方、空間の考え方・・・、その教室では私一人が日本人ということもあってか、とてもとても沢山の質問が飛び交いました。実際、私自身に異文化であるアレンジメントといけばなについて、どれくらい理解していているかということを聞かれて試されていて、また仮にも日本の代表として、私は毎回真剣そのものでした。
多くのアレンジメントの歴史の本でも、いけばなの事はずいぶん詳しく書かれているので、客観的に日本の伝統を海外でも私は知ることになって、とても新鮮だったことを記憶していますし、時に恥ずかしいなあと反省し、その為私も自分なりに勉強をしました。
なぜなら、とても大事な伝統文化であることを認識し、多くの世界の文化人に深く愛されている芸術になっていることを身をもって実感しているからです。
だからこそ、私には多くの流派を知り、自身の流派を学ぶことを努めています。実際とても楽しく、興味深い事の一つとなっています。私の勉強し続けていたいことの一つです。
長くなりましたが、一葉式についてまだ何もふれていませんので、この続きは明日お届け致します。