花笑む ハナエム ✿

「花笑む」
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百合の花が開くときの高貴で気品あるさまを表す「花笑み」という言葉をご存じですか。
単語「笑む」には、つぼみがほころんだり、果実が裂けたりする意味がありますが、“花笑み”は、特に百合について指すのだそうです。

百合の咲く姿を微笑みに例えたその巧みな感性に、脱帽しました。
いつ頃から、どんな人々よって使われてきた言葉なのかが知りたくて、少し調べてみ
ると、万葉集にも詠われていることがわかりました。
少なくとも、7、8世紀には存在していたということになります。
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はな‐えみ〔‐ゑみ〕【花笑み/花▽咲み】

花が咲くこと。百合が咲くさま。また、咲いた花のような華やかな笑顔。人がほほ笑んでいるのを咲いた花にたとえていう語。

万葉人が詠んだのは、どんな情景だったのでしょうか。

夏の野のさ百合の花の―ににふぶに笑(え)みて〔出典: 万葉 4116〕



声に出すと「は・な・え・み」とたった4つの音で構成される短い言葉ですが、様々なイ
メージが湧いてきます。


姫ゆり・笹目ゆり・鹿の子ゆり…日本的な情緒を多分にもつ百合もたくさんありますが、
カサブランカ・シベリア・ソルボンヌ…西洋らしい百合もあり、百合の表情は、
ほんとうに様々です。

「すがた」からも、正面の表情・横顔のシルエットは異なる魅力をもち、
フラワーアレンジの専門用語でも、「フォームフラワー」とその魅力を認識される
ひとつに区分されています。

昔から、西洋でもお祝いのウエィングや、ともすればお葬式。
人生の節目をかざる花としても、人々に百合は愛させている花の一つです。

その百合が咲くと「花笑む」という日本人の感性は美しく、
それをみているそのひと、その笑顔が思わずあふれるその表情もおそらく美しいでしょう。
穏やかな時間を想像します。

けれど、私はそんな穏やかな百合もいいけれど、野に咲く百合が強い風に揺られながらも
咲き誇るすがたが時に綺麗だなあと思います。どちらも百合のもつ魅力です。
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もしかしたら、人間の魅力と一緒で、ただ華やかなだけでない、穏やかなだけでもない、
時にひたむきで強さがある。
自分で立っているという姿があり、多面的な魅力を持つ花の一つだからかもしれません。

それはおそらく百合に限らず、「美しい花」のもつ特徴のように私は思います。
だから今日も私は花から学ばせて頂くのです。
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by bouquets_ryoko | 2009-07-01 00:26 | Diary | Comments(0)

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