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ジョセフ・クーデルカ プラハ1968

ジョセフ・クーデルカ プラハ1968
フォト・ジャーナリズム史に伝説として名を刻むJosef Koudelka(ジョセフ・クーデルカ)の日本初の大規模な展覧会が、東京都写真美術館で開催されています。
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今回のポスターの写真にもなっている有名な写真です。

記憶が新しい所では、2009年4月 5日、オバマ米大統領がプラハで「核兵器のない世界」を目指す歴史的な演説を行いました。何故プラハが選ばれたのか。
それは1968年の「プラハの春」と「チェコ事件」が、核兵器に支えられていた東西冷戦構造の崩壊におおきな栄光を与えたからです。

その「チェコ事件(ワルシャワ条約機構軍のプラハ侵攻)」時、団結して兵士に対抗した市民の攻防を写真に収めたのがジョセフ・クーデルカです。
ジョセフ・クーデルカ プラハ1968    _c0128489_1516919.jpg

しかしながら、その作品は1969年、「プラハの写真家」と匿名者によるドキュメントとして発表されます。
同年、写真家の名は伏せられたままロバート・キャパ賞を受賞。
というのも、その当時の政治背景から、写真の作者であると名乗ることが出来たのは1984年、クーデルカの父親がチェコでなくなったあとのことでした。

ずいぶんと説明を飛ばしていますが、これらのエピソードは20世紀の伝説となり、世界中のジャーナリストたちによって語り継がれています。詳細はこちらを!http://syabi.com/contents/exhibition/index-1353.html

その写真展を見てきました。
実はクーデルカに興味とまた展示会が開催されていることは事前に知っていたのですが、
この戦火の写真を、いま展覧会で見に行くとはこの当日には私自身、あまり想像がつくことではありませんでした。つまり予定には特になかったのです。

けれどこの日、4月から習い始めたカメラの講座で、(講座についてはあらためて近くまとめたいと思います。)宿題がありまして、その結果というか自分の視点の甘さのようなものに、とにかく撃沈!!?したのです。

それでその日、カメラの講座で毎回いつくかいろんな写真家の写真集を紹介いただくのですが、そこにも入っていたクーデルカ…、本物の写真をみたくなったというか、ひょんなことからふと帰り道ひとり足を延ばしたのです。

しかし、向かいながらもなぜか見なくてはならないような気持ちになるのだけれど、不思議と何故この写真展に向かっているのか…私の中で正直疑問でした。
入口に入るまでは。

写真展に足を踏み入れると、私のこころは既に大きな衝撃を受けていました。


そこには想像もしない、臨場感あふれる、まるで「生きているような」写真が広がっていたのです。音や空気さえも伝わってくるような。

そして、観察者でなくそこにむしろ参加している、いえ巻き込まれたのかもしれない、
「その時」を生きているクーデルカが見えるようでした。
プラハ市民に突然襲った現実に勇気をもって立ち向かっている人々とともに。

この現実を伝えられる写真をみて、またこれを私たちはどう受け止めたら未来の歴史への糧になるのでしょうか。

私がかんじたことや考えたことをここでまとめようとは思いません。
ただ話は飛躍してしまいますが、写真という力とまたそれを撮る人間の力、
なにか上手く言えないけれど、「人間」というものの凄さを感じたことは確かです。
そして、その時を生きていることの宿命と大切さを思いました。
3.11の震災後からも特に思うけれど、「今を」大切に生きよう、
それは観察者でなく主体的に「今」に参加していたいとあらためて思いました。

見に来てよかったと思いました。

東京都写真美術館
7月18日まで
by bouquets_ryoko | 2011-06-09 20:15 | Diary

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by Bouquets_ryoko